上田仁の妻・充恵さんが語る夫の再起と家族で育むドイツ暮らし〈前編〉
卓球王国PLUS独占記事
自分以上に自分を見ている人間、それは日々の暮らしを共にするパートナーではないだろうか。2023年8月、上田仁は卓球選手としての再起をかけて家族とドイツへ渡った。海外リーグでプレーする日本人選手は少なくないが家族連れは異例。覚悟を決めて臨んだ挑戦はブンデスリーガ初参戦でプレーオフ進出という形で結実した。妻の充恵(みさと)さんは仕事を休職し子育てをしながら夫を支える、明るくてしっかり者の1歳上の姉さん女房だ。ブンデスリーガのケーニヒスホーフェンで輝きを取り戻した夫・上田仁の素顔をそっと明かしてくれた。(2024年5月21日/ドイツ・ケーニヒスホーフェンにてインタビュー)
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●Profile 上田充恵(うえだ・みさと)
1990年9月14日、静岡県生まれ。旧姓・加藤。就実中学・高校→早稲田大学で卓球部に所属。2012年、平成24年度第79回全日本大学総合選手権(個人の部)女子ダブルス優勝(ペア:中島未早希)、女子シングルス準々決勝進出(ベスト8)。2016年に夫・仁と結婚。二児をもうける。23年8月に家族でドイツ・バイエルン州のバート・ケーニヒスホーフェンに移住
熱狂的なサポーターの応援と重圧の狭間で
●―ブンデスリーガ・プレーオフ準決勝初戦のホームマッチ(5月20日)で、ケーニヒスホーフェンは昨季王者のデュッセルドルフを破り大きな1勝を挙げました。仁さんの活躍をご覧になってどんなお気持ちでしたか?
上田充恵さん(以下・充恵さん) 驚きました。でも本人は4月28日にレギュラーシーズンが終わって、準決勝でデュッセルドルフと当たると決まった時からずっと「プレーオフでは自分が2点を取りたい」と言っていたんです。私は「勝てたらいいな」くらいに思っていましたけど、まさかボル選手とシェルベリ選手に勝って本当に2点取っちゃうなんて、びっくりしました。