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モーレゴード ザ・ファンタジスタ〈後編〉兄マルテが語る弟トゥルルスの独自性

1980年代から2000年代初頭にかけて、ワルドナー、パーソン、アペルグレンほか
綺羅星のようなスター選手がそろい、黄金時代を築いたスウェーデン。
その独創的な“スウェーデンスタイル”が、20年の時を経て再び輝きを取り戻している。
筆頭を走るのは、21歳のトゥルルス・モーレゴード(世界ランキング10位/2023年6月6日現在)。
対戦相手はもちろん、観客をも驚かせるトリッキーなプレーは、まさにファンタジスタだ。
彼のテクニックを、兄のマルテ氏、そしてスウェーデンリーグでチームメイトだった英田理志が語る。

(卓球王国2023年8月号掲載)

マルテ(右)&トゥルルスのモーレゴード兄弟。マルテもスウェーデンリーグでプレー。18年から弟のコーチを務める

多くのコーチに注意されても弟はグリップを変えなかった

 弟のトゥルルスは現在の世界トップ10の中でも特別だし、ユニークなプレースタイルで、日本や中国のスタイルとは別のものだ。

 まず他の選手との違いは彼のグリップ。彼は自分の感覚で自分のやり方を貫いてきた。ラケットを5本の指でつかむような握りで、トップ選手になるまでは多くのコーチが「そのグリップではバックハンドが振れないから変えるべきだ」と忠告してきた。

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