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成熟した平野美宇がパリで迎えた二度目のオリンピック
卓球王国2024年10月号別冊『パリ五輪 卓球特集号』掲載
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高樹ミナ(スポーツライター)TAKAGI Mina
いつの頃だろう、彼女が大人になったと感じたのは。
母のもと、3歳半で卓球を始め、10代のうちから国内外で活躍。女子卓球の中心で常に脚光を浴びてきた平野美宇は、同期の星である伊藤美誠や早田ひなと比べても、どこかあどけなさが残る選手だった。
だが、2年にも及ぶ過酷なパリオリンピック代表選考レースを勝ち抜き、言動も顔つきも精悍になった。
そんな平野にとってパリオリンピックは期待と責任を背負って臨んだ大会だ。
リザーブで同行した2016年リオオリンピックから8年がかりで掴んだシングルス代表の座。そして、チームの中では唯一、東京大会団体銀メダルを手にしたオリンピック経験者。
「前回は初出場で石川(佳純)選手と伊藤選手に引っ張っていただいた」と本人が言うように立場も覚悟も3年前の夏とまるで違っていた。