呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[卓球本悦楽主義1] 過剰なまでに論理的な荻村の語り口に圧倒された
卓球専門書の愉しい読み方1(卓球王国2004年1月号掲載)
Text by
伊藤条太Jota Ito
卓球世界のプレー
■荻村伊智朗・著 [ 昭和47年 講談社]※現在は絶版
過剰なまでに論理的な荻村の語り口に圧倒された
私が卓球の本を収集するようになったのは10年前ほど前からである。市内のある古本屋で、卓球の指導書が3冊並んでいたのを見たのがきっかけだった。その時、家には卓球の本が7冊ぐらいあったから、その3冊を買えば合計10冊になり、本棚に並べたら壮観だな、と思ったのが収集を始めたきっかけである。以来、本屋で買うのはもちろん、旅先でも出張先でも古本屋と見れば飛び込んで収集を続け、とうとう130冊あまりの卓球本を集めた。
そんなわけで130冊余の卓球本を収集したのだが、ある時、卓球王国への連載の話が飛び込んだ。私は内心、そのような機会を夢見て、必要もないのに本のあちこちに付箋をはさんだりして妻にバカにされていたくらいなので、飛び上がって喜んだ次第である。
卓球本の世界においては、故・荻村伊智朗のものが、量においても質においても他を圧倒している。そのため、紹介する本のおよそ半数が氏の著作となることをあらかじめお断りしておく。
というわけで、記念すべき第一回は、私が初めて出会った卓球本の紹介をしたいと思う。