【インタビュー】ベネディクト・ドゥダ〈後編〉「ボルは42歳までプレーした。ぼくは43歳まではやりたいです」
卓球王国2025年12月号掲載
写真=中川学 photographs by Manabu Nakagawa

ドイツのナショナルチームに入っても、ベネディクト・ドゥダはフロントラインではなく、ボル、オフチャロフ、フランチスカ、チウ・ダンの後ろの列で出番を待っていた。28歳にして、ようやく世界選手権の団体戦で起用され、2024年にはヨーロッパ選手権のシングルスで決勝に進み、今年はWTTで常に上位まで勝ち進んで、気がつけば世界ランキングを8位まで上げていた。今シーズンのブンデスリーガ第1戦では五輪金メダリストの樊振東を破り、その実力を証明した。31歳にしてドイツのエースになった男の「卓球に懸ける意気込み」に耳を傾けてみよう。
(インタビュー後編)
Interview by
自分のベストを尽くすためには現状に適応していくことが必要です
●─2020年〜2022年のコロナ禍では練習に変化はありましたか?
BD 少し変えました。1日3回練習するようになり、技術だけでなく体力強化にも取り組みました。大きなターニングポイントは、やはり2023年の世界選手権でゼリコに負けたことです。十分に準備していた分、ショックも大きく、立ち直るまで時間がかかりました。その間に「自分が何を変えるべきか」を考え続けました。
それまでも改良と変化を求めてはいましたが、少しずつしかやっていなかった。でもあの敗戦の後に一気に変えました。そこから瞑想を取り入れ、メンタル面も改善しました。専任コーチのユリアン・ペータースの存在も、ぼくにとって大きなインパクトでした。
●─2024年のヨーロッパ選手権でシングルス準優勝、今年に入ってからのWTTでも安定した成績を残しています。今年・来年とスマッシュ4大会、チャンピオンズ6大会、さらにスターコンテンダーやコンテンダーも続きます。一方でブンデスリーガとの両立もあります。かなりタフなスケジュールですね。

