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[奇跡のモデルチェンジ]ヴィンターを蘇らせたミュールバッハ「極めて弾まない吸収スポンジが彼女にはベストだった」

卓球王国PLUS独占インタビュー「なぜザビーネ・ヴィンターはアンチラバーにしたのか」その3

[ヘルマン・ミュールバッハ]のインタビュー

シンガポールスマッシュやワールドカップでの快挙を、単なる「用具変更」の結果と片付けてはならない。ザビーネ・ヴィンターが勇気を持って決断し、血の滲むような練習を貫いた、そのプロセスにこそ敬意を表すべきだ。
「数字や結果に一喜一憂するのではなく、自分の卓球をどう発展させるかに没頭したい。何より、そのプロセス自体に今、大きな喜びを感じているんです」
彼女の言葉がすべてを物語る。その可能性を信じたヘルマン・ミュールバッハとの歩み。世界を舞台に戦う者たちの背景には、常に唯一無二のストーリーが宿っている。

ヴィンターにアンチラバーの実演をするヘルマン・ミュールバッハ

ヘルマン・ミュールバッハ(Hermann Mühlbach / GERMANY)
37歳。ドイツU18の元チャンピオン。高校卒業後はプロの道へ進まず、大学で数学とコンピューターサイエンスを学びながらブンデスリーガ2部でプレーした。ナショナルチームのアシスタントコーチを経て、4年間ルクセンブルクのコーチを務めた後、ESN(世界最大のラバーサプライヤー)グループの「Spin Sight(スピンサイト)」に入社。用具に精通し、ブンデスリーガ1部で活躍するルカ・ムラデノビッチ(ルクセンブルク/アンチラバー使用)の指導も行った

Interview by

今野昇Noboru Konno

すべての選手が「ヴィンター対策」を研究し、準備をしてくるでしょうね。でもザビーネはポテンシャルを持っていてさらに良くなっていく。どちらがより早く改良されていくのか、ザビーネなのか、それとも相手なのか

ヴィンターと義弟のカルロスに指導するヘルマン・ミュールバッハ(手前)

アンチスピンだけに頼るプレーはあまりに消極的すぎて、高いレベルでは通用しないのです

●―Dr.ノイバウア(Dr. Neubauer)のアンチスピンというのは、何か特別なものなのですか? 他のメーカーもアンチスピンを販売していますが、ザビーネが使っているものは、トップシートやスポンジが特殊なのでしょうか?

ヘルマン・ミュールバッハ(以下HM) ドイツでは、これを単に「アンチ」とは呼ばず、「グランティ(Glanti)」と呼ぶことがあります。これはドイツ語で「滑らかな(滑る)」を意味する「グラッター(Glatter)」と「アンチ(Anti)」を組み合わせた言葉です。

ドイツ語の「グラット(glatt)」は、英語では「スムーズ(smooth)」と訳され、滑らかな、ツルツルとしたと訳されます。つまり、従来のアンチスピン(摩擦が少しあるタイプ)と、この「スムーズ・アンチスピン(摩擦ゼロのタイプ)」は別物として区別されているのです。

Dr.ノイバウアだけでなく、「マテリアルスペシャリスト」もそうですし、おそらく近いうちに他のメーカーからも、この滑らかなトップシートを採用した新しいラバーが登場するでしょう。そして、それに対してどのようなスポンジを組み合わせるかという選択肢も増えています。弾むスポンジ、中間のスポンジ、そして(ザビーネが使っているような)極めて弾まないスポンジといった具合に。

そして今、驚くほど弾みを抑えた新しいタイプのスポンジが登場しています。私たちはそれを「デンプフルング(Dämpfung)」と呼んでいます。

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