石川県遊学館高校 植木大監督「人としての生き方だけは譲りません。人としてダメなものはダメです」
卓球王国PLUS独占インタビュー[遊学館高校卓球部・植木大監督が語る、義理と人情の31年/後編]
「子どもたち、そして人間臭さが大好きなんです」と語る植木大。30年以上、石川県の遊学館高校で教員として、卓球部監督として子どもたちと接してきた。インタビュー後編では、彼の人生哲学、教員として譲れない部分を聞いてみた。

「日本一になりたい」という目標と執念。もうひとつは、単純に子どもが好きなんです
うえき・ひろし
1973年10月17日生まれ、栃木県小山市出身。藤岡高校から中京大へ進み、卒業後、遊学館高校に教員として赴任。卓球部監督としてチームをインターハイ準優勝2回に導く。現在、遊学館高校の教頭を務めながら、引き続き卓球部の指導にあたっている
Interview by
5. 指導者としての現在地:教頭としての葛藤と「治安」
●―31年の間には、管理職としての顔も持たれるようになりましたね。
植木 教頭になって6年目です。正直、教頭になると卓球部をじっくり見られないのが辛いですね。その前は生徒指導部長を7年やっていました。学校教育の現場では珍しいんですが、私は生徒指導のトップをやりながら、担任も授業も全部やっていたんです。今も教頭ですが、授業を持っています。
●―20数年、休まず指導を続け、結果を出し続ける。そのモチベーションはどこから来るのでしょうか?
植木 ひとつは「日本一になりたい」という目標と執念。もうひとつは、単純に子どもが好きなんです。
でも限界も感じていました。私学には附属の中学校があるところが多い。向こうは5年半かけて勝負してくるのに、うちは高校の2年半で勝負しなきゃいけない。3位まではいけても、その壁が厚い。だから「日本一になるには中学から見なきゃダメだ」ということで、自分の家に中学生を入れ始めました。
一番大変なのは嫁さんですよ。一度は「もうやめる」と言ったんですが、今の高3の代の子たちが小6の時に「どうしても預かってくれ」と親御さんに言われた。私は「俺じゃなく嫁さんを口説いてくれ」と言ったら、保護者が嫁さんを口説き落としてくれました。今は8人見ています。
最初は自宅でやっていましたが、もう限界で。今は家の斜め前のアパートを2部屋借りて住ませています。光熱費なんかも大変ですが、それは澤田勝洋さんという方がサポートしてくれています。
●―高校はまだ日本一には届いていません。

