吉村真晴 「卓球人生20年説」を越えて――「ご機嫌」でいることが、ぼくを強くした。
卓球王国PLUS独占インタビュー 吉村真晴(世界混合ダブルス金メダリスト・五輪メダリスト)前編
「卓球人生20年説」とは、トップ選手たちの生き様をなぞるようなものだ。
低年齢化が進む卓球界。早い時期から練習を積み重ねた選手のほうが勝ちやすいのは自明の理である。早くに強くなれば、それだけチャンスも多く巡ってくる。だからこそ、親も子どもたちを卓球の練習に駆り立てる。しかし、果たしてそれが正解かどうかはわからない。今回、8歳から卓球を始めて、すでに20数年間にわたり現役を続けている吉村真晴に、「トップ選手として維持すべきモチベーション」について問うてみた。
PHOTO 奈良武

Interview by
[よしむら・まはる]
1993年8月3日生まれ、茨城県出身。2012年全日本選手権優勝、16年リオ五輪男子団体銀メダリスト。世界選手権の混合ダブルスではドーハ大会を含めて優勝1回・準優勝3回、計4個のメダルを獲得。右シェーク両面裏ソフトドライブ型、SCOグループ所属、世界ランキング43位(2026年4月27日現在)
真剣にやった年があるし、やっぱり自分の中で休憩してる年も少なからずある
●ー よくトップアスリートには「20年説」というのがあって。大体20年トップクラスとして競技をずっとやっていると、疲弊してきて、ピークアウトしたり引退したりということが、スポーツの世界ではよく言われます。
体力的にまだやれる年齢であっても、壁にぶち当たる。特に卓球は低年齢から始めます。3歳、4歳とか。吉村くんは、ただのボール遊びではなく本格的に卓球を始めたのは何歳ぐらい?
吉村真晴(以下、吉村) 小学2年生の全国大会が終わった時、お父さんに「本気でやるかやらないかを今決めろ」と言われて。本気でやるって決めてからは、小学校の時はもう、それこそ365日あったら360日ぐらいは練習してましたね。8歳ぐらいだと思います。
●ー 一日どれくらい練習していたんだろ?
吉村 平日は18時ぐらいから21時ぐらいまでなんですけど。でも休みの日は朝から晩までなんで、普通に朝の10時ぐらいから夜の21時ぐらいまでやってました。
●ー 10時間以上ってこと?
吉村 そうですね。10時からお昼過ぎまでやって、食べて、また夕方やって、ご飯を食べてという。
●ー そうすると、大体年間で練習時間が1000時間を超える。トップアスリートや音楽家の世界でよく言われるのは……これ荻村(伊智朗・元世界チャンピオン)さんも言ってたんだけど、やっぱり一流になるには1万時間の「真剣な訓練」が必要だと。実際にスポーツや芸術の世界で言われていることでね。
今の話で言うと、吉村くんは7、8歳から毎年1000時間超える練習をしていたら、1万時間の訓練時間は大体10年ぐらいかかる。そうすると君はやっぱり17、18歳で一流になる基準を満たしていたことになります。
吉村 中学、高校で練習量は多分増えてますよね……大体それぐらいですかね。ぼくが全日本選手権で優勝したのが18歳なんで、ちょうどいいぐらいだと思います。

