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重ねて言うが、2年前の時点で全日本卓球とWTTの重複は予見できたはずだ

卓球王国PLUS独占記事「今野の眼」

Text by
今野昇Noboru Konno

あたかもWTT側が一方的に日程をぶつけてきたかのようなニュアンスを滲ませている

10月27日、日本卓球協会は「2027年全日本卓球選手権大会(一般の部)とWTTチャンピオンズの日程重複について」と題するお知らせを協会公式サイトで発表した。 冒頭を抜粋したものが以下の文章だ。

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 ITTFおよびWTTは、2026年9月1日に2027年のWTT大会日程をウェブサイトで公表しました。これにより、例年1月下旬に開催されていたWTTチャンピオンズが、2027年1月19日から24日まで、2027年全日本卓球と同時期に開催されることが判明しました。 日本卓球協会は、選手に重大な影響を及ぼす今回の日程重複を受け入れがたいものと考え、直ちにITTFおよびWTTに日程変更を強く申し入れました。

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*日本卓球協会が発表した全文

https://jtta.or.jp/news/38493

2027年1月の全日本選手権大会はWTTチャンピオンズと日程が重複しており、男女のトップ選手各4名・計8名(ワイルドカード枠により各5名となる可能性もある)がWTTへ参戦せざるを得ないとみられる。

2028年ロサンゼルス五輪の日本代表は2028年1月に発表され、国際大会で獲得したランキングポイントは1年間有効となるため、この2027年1月のポイントは極めて重要だからだ。 日本卓球協会はWTTチャンピオンズのエントリー確定を待ち、その後に全日本選手権の組み合わせを行うことで、シード選手の直前棄権という事態だけは回避しようとしている。

しかし、以前の記事でも触れた通り、2025年1月下旬の全日本選手権大会(ダブルスの部)がWTTのシンガポールスマッシュと重複した前例がある以上、こうした事態が再発する可能性は十分に予見できたはずだ。

日本卓球協会のプレスリリースも「日程重複を受け入れがたいもの」とし、あたかもWTT側が一方的に日程をぶつけてきたかのようなニュアンスを滲ませている。

だが、2025年1月の時点で、翌年あるいは近い将来に全日本選手権(一般の部)とWTTが重複するリスクを想定しておくべきだった。

日本卓球協会がITTFやWTTにおいてプレゼンスを低下させ、影響力や交渉力の弱さを自ら露呈

重複を避ける手立ては主に2つしかなかったはずだ。

WTTが設けた3月の「ITTF卓球ファミリー国内選手権週間」へと開催時期を変更するか、あるいはITTF(国際卓球連盟)およびWTTに対し、日程が重ならないよう粘り強く交渉することである。WTTが3月に大会を入れず「国内選手権週間」を設定しているのは、欧州の多くの加盟協会がその時期に国内選手権を開催しているからにほかならない。

日本はかつて12月に、近年は1月に全日本選手権を開催するのが通例となっているし、会場は2年前から抑えている。1月開催にこだわり続けるのであれば、「WTTけしからん」と怒るのではなく、重複を回避できるよう事前に強固な交渉を行うしかなかったはずだ。
見方を変えれば、現在の日本卓球協会がITTFやWTTにおいてプレゼンス(存在価値)を低下させ、影響力や交渉力の弱さを自ら露呈してしまったとも言える。

逆の立場で考えてみてほしい。200以上の加盟協会を抱えるITTFが、一加盟協会にすぎない日本の事情に配慮して日程をあわせてくれるだろうか。それを動かすには、直接的な働きかけと交渉力しかない。

1億円以上の予算を投じて開催する全日本選手権なのだから、WTT側との交渉のテーブルで対等に向き合うことから始めなければならないだろう。さもなければ、「1月開催の全日本」にトップ選手全員が集結せず、国内最高峰の大会としての価値を維持できなくなることが続いていくことになる。