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【グッズ+】粘着・微粘着ラバーに合うラケットとは?〈前編〉

 このところ、卓球ラバー市場において年々そのプレゼンス(存在感)とシェアを伸ばしつつある粘着性および微粘着性の裏ソフトラバー。読者の中にも、この流行に乗り粘着・微粘着ラバーを使っている人が少なくないだろう。ただ、あなたのそのラケットは、粘着・微粘着ラバーと本当に相性が合っているだろうか。

 今回は、専門店のエキスパートおよび各メーカーの協力を得て、粘着・微粘着ラバーに合うラケットについての考察を行った。今すでに粘着系のラバーを使っている人はもちろん、これから使ってみようと思っている人も、ぜひ一読していただきたい。

粘着・微粘着ラバーの誕生と歩み

 粘着性裏ソフトラバーの源流は、中国にある。裏ソフトラバーが発明、使用され始めたのは1950年代の日本が世界で最初だったが、中国はその裏ソフトラバーに粘着成分を持たせたラバーを独自に研究・開発。それがいわゆる「中国ラバー」の源流となった。中国ラバーは普通に打つと飛距離を出せないが、中国選手は肉体を鍛え上げて猛烈な回転のかかったドライブを体得し、それを武器に1970年代〜80年代前半に世界のトップで活躍した。ただ、1980年代後半になるとスピードグルー(揮発性有機溶剤入りでラバーのスポンジを膨張させて弾ませる接着剤)を駆使したヨーロッパ卓球が全盛期となり、スピード性能に劣る中国ラバーは一時的に下火となる。

強粘着の中国ラバーを使い、鍛え上げた肉体から猛烈な回転のドライブを放って1983・1985年に世界チャンピオンとなった郭躍華(グオ・ユエホア/中国)

 だが、90年代後半からは中国ラバーにスピードグルーを塗って活躍する選手が現れ始め、徐々に復権。特に、2000年にボールが38mmから40mmへと大きくなるタイミングで登場した『キョウヒョウ』シリーズはすぐに中国選手のスタンダードとなり、2008年にスピードグルーが使用禁止となっても「已打底」(テンション効果を内蔵させる加工)やテンションスポンジなどの活用で進化を続け、現在に至るまでロングセラーとなっている。

 一方、日本やヨーロッパではしばらくこれといった粘着性ラバーのヒット作がなかったが、2017年にヨーラがドイツ製粘着テンションラバーの元祖と言える『ゴールデンタンゴ』を発売。一部ユーザーからは高い評価を受けたが、この時は爆発的なヒットには至らなかった。その後、2020年にバタフライが満を持して『ディグニクス09C』をリリース。中国ラバーとは別路線ながら、粘着性ラバーとテンションラバーの「いいとこ取り」を高いレベルで実現したラバーとして、空前の大ヒット作となった。そこからは、メーカー各社が粘着テンションラバーの研究・開発に本腰を入れ始め、現在はたくさんのラインナップが店頭に並んでいる。

2021・2023年世界チャンピオン、2024年パリ五輪シングルス金メダルの樊振東(ファン・ジェンドン/中国)は『ディグニクス09C』を使用

粘着・微粘着ラバーの特性を知ろう

 ここからは、卓球専門店「唐橋卓球代々木店」のスタッフ・成冨晃司さんのナビゲートでページ進行。近年の粘着・微粘着ラバーの傾向、そして「粘着・微粘着ラバーに合うラケット」についての見解を伺ってみた。

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