ストップなのに上回転! 「ヤナギ」は打つのではなく、一瞬「触る」
卓球王国2026年2月号 後編
「チキータ」はその曲線的な軌道からバナナの名前から命名されたが、上回転のストップは柳承敏が使ったことから「ヤナギ」と呼ばれているようだ。世界のトップでは前編で紹介したカルデラノが使う技術。後編ではボールタッチを池田選手が説明してくれた。

Direction & Model by

監修・モデル:池田亘通(Infinity)
いけだ・わたる●右シェークドライブ型。北海道・尚志学園高時代にインターハイ学校対抗で2年連続ベスト16。全日本ラージボール選手権では男子シングルスで5度優勝。株式会社WGray代表取締役を務め、「わった」の愛称でのYouTubeでの動画配信、講習会の開催、卓球スタジオInfinityの経営、クエン酸飲料「D1」開発など、幅広く活動中。2026年1月の全日本選手権男子シングルスにも出場。

【撮影協力】池田佳乃(Infinity)
一番のポイントは打球点「打つ」ではなく一瞬「触る」
ヤナギで一番のポイントになるのが打球点。必ずバウンドの直後で打球します。サービスを出して、相手がストップしてくるとわかった時点でボールの落下位置を予測し、その位置にラケットを持っていきます。バックスイングは取らず、打球面がブレないように固定してラケットヘッドからボールに入るようにしてください。
スイングのイメージとしては自分から見て右ななめ上。ラケットを前に押し出さないようにして、ボールの右側をとらえて打球します。ただ、ここがヤナギの難しいところで、スイングというよりは打球する時のボールタッチのほうが重要。ボールを「打つ」のではなく、ラバーの表面で一瞬だけ「フッ」とボールを触り、相手コートのネット際に短く「置く」イメージでボールを飛ばします。スピードはいらないので緩いボールでOKです。
ボールタッチが大事と話しましたが、本当にボールを触っている時間は一瞬。「打つ」「押す」「切る」というような感覚でボールを「ポコッ」と打ってしまうと、浮いたり、長くなったり、回転量が少ない「棒球」になって相手に強打されてしまいます。あくまで短く止める「ストップ」だから効果があるのです。


