松島輝空(後編)「今回は本当に、実力で、自力で取れたという感覚に浸っていました」
卓球王国2026年5月号掲載

ALL JAPAN CHAMPION’S INTERVIEW
MATSUSHIMA Sora
松島輝空 木下グループ
威風堂々とした戦いぶりの裏で、松島輝空は不調にあえいでいた。
無意識のうちに生まれていた“連覇への重圧”が
18歳の怪物を飲み込もうとしていた。
◆ まつしま・そら
2007年4月29日生まれ、京都府出身。卓球一家で生まれ育ち、2歳から卓球を始める。全日本選手権バンビ・カブ・ホープスで6連覇を達成。21年世界ユースU15でシングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3冠。21年全中優勝、24年全日本ジュニア優勝。25年1月の全日本選手権では17歳でシングルス初優勝。今年1月の同大会で2連覇を達成し、張本美和と組んだ混合ダブルスでも初優勝を飾った。世界ランキング8位(3月2日現在)。木下グループ所属
Interview by

「攻めないと張本選手には勝てないとわかっていたので、最後まで攻め切るということだけを考えていました」
追われる者の重圧は、想像以上に大きい。王座を守る立場にある者だけが知るその重みを、松島輝空は真正面から受け止め、力で跳ね返した。
全日本選手権2連覇。そのハイライトとなった準決勝、張本智和との一戦は、全日本V10の水谷隼が「令和の名勝負」と称えるほどのハイレベルな攻防となり、会場の空気を震わせた。
死闘を制した背景にあるのは、松島の試合の流れを見極める冷静さと、最後まで攻め切る胆力である。
その堂々たるプレーは、王者が王者であり続けるための条件を、雄弁に示していた。
◇◇
●─迎えた最終日の準決勝。大一番となる張本選手との試合を前に、どのような心境でしたか?
松島輝空(以下・松島) 正直、吉村選手の試合までは自分の状態があまり良くないと感じていました。パフォーマンスも上がっていなかったので、内心では、「このままでは厳しいだろう」と思う気持ちもありました。でも、「ここまで来たらやるしかない」と、いつも以上にしっかりとした準備をして臨みました。

