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卓球人生20年説「彼らはどこで燃え尽き、どこでラケットを置くのか」

卓球王国PLUS独占記事「今野の眼」

「トップアスリートの選手寿命は20年」という説がある。これは卓球のトップ選手にも当てはまるのだろうか。
卓球が他の競技と一線を画すのは、幼稚園や小学校低学年から競技を始める選手が圧倒的に多い点だ。日本卓球協会が早期の英才発掘を目指して低年齢層の大会を整備したことが、現在の「卓球ニッポン」の強さを支える一因となったのは間違いない。
しかし、幼少期から極限の勝負の世界に身を置く選手たちにとって、20歳を過ぎてからの「燃え尽き症候群」やモチベーションの維持は避けて通れない課題だ。あらためて、選手の「卓球人生」のあり方について考えてみたい。

2003年世界選手権パリ大会で14歳ながらベスト8に進んだ福原愛さん

Text by

今野昇Noboru Konno

早期教育の光と影

日本の卓球選手がラケットを握る時期は、今や相当に早い。低年齢化の先鞭(せんべん)をつけたのは「愛ちゃん」こと福原愛だ。1990年代に天才卓球少女としてマスコミに騒がれ、その人気だけでなく、全日本タイトルのバンビから一般までを総なめにした。それは単なる才能だけでなく、継続的な努力と、専任コーチをつけるなどの環境作りの賜物(たまもの)だった。

それが一つのロールモデルとなり、伊藤美誠や平野美宇などが幼少期から規則的・継続的な練習を積み重ね、国内で活躍して10代早期から国際舞台に飛び出していく。これがある種、日本の強化法のモデルとなっていった。その後には張本智和・美和の兄妹も続いていく。

スポーツの世界には「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期がある。人間の神経系の発達は5~8歳までに80%、9~12歳までに100%完成すると言われている。その理論に基づけば、5歳前後で卓球を始め、12歳(小学6年生)までに徹底して神経系を鍛えるのは、理にかなっているといえる。

「運動体験」の重要性。水谷は32歳、石川は30歳で引退

五輪メダリストの水谷隼は5歳から、石川佳純は7歳から卓球を始めているが、彼らは幼少期に卓球だけでなく他のスポーツも経験している。その「運動体験」の多様さが、アスリートとしての器を大きくしたとも言えるだろう。

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