小園江慶一郎 「地域に貢献し、卓球界に貢献し、そしてアジアの卓球人とつながっていく」
卓球王国PLUS独占インタビュー [小園江慶一郎 こぞのえスポーツ社長]後編
福岡を拠点にする「こぞのえスポーツ」は国内有数の卓球ショップである。稼ぎ頭はネットショップであっても、春日市にテンポを構え、毎日、子どもたちから高齢者までの指導も行っている。
1977年に創業者・小園江慶二が作ったショップ&卓球場の軸足はぶれてはいない。その先にあるのは「地域貢献と卓球のステイタスを上げること」だと小園江慶一郎は語る。


こぞのえ・けいいちろう
1974年生まれ、福岡県出身。南福岡卓球クラブで全国ホープス大会準優勝、柳川高校時代に国体と全国高校選抜大会で3位、同志社大に進み、インカレで3位。卒業後は富士通に入社し日本リーグで3年半プレーし引退。富士通には17年間在職したのちに2015年こぞのえスポーツの副社長に就き、2019年に社長に就任した。ビジネスのみならず卓球の指導にも力を入れ、全国ホープス選抜福岡県監督(2018年準優勝,2019年ベスト8)も務めた
ラバーが買いたいだけの人はネットで購入します。だから卓球の魅力を伝える使命感を持っている人はショップにとっては魅力的な人材です



今は、卓球ショップ・卓球のインストラクターの人材を募集しています
●―こぞのえスポーツとして今、社員を募集していますね?
K 今は、卓球ショップ・卓球のインストラクター・ネットショップのスタッフの3部門があって、優先順位としては卓球ショップのスタッフを必要としています。お店に来たお客さんに卓球の魅力を伝えられる人がほしいです。
結局お店に買いに来る人は、初心者だったりおばちゃんだったり、話をしたい人だったりとか、そういう人なんですよ。ラバーが買いたいだけの人はネットで購入します。だから卓球の魅力を伝える使命感を持っている人はショップにとっては魅力的な人材です。
●―お店に来る人はラバー、ラケットを買いたいだけではない、プラスアルファのものを求めているんですね。
K 卓球の話をしたい人だと思います。卓球の魅力や奥深いところ、あるいは細やかな部分を話したい人も来ます。たとえば来た人がAという商品を買いに来たんだけど、話をしているうちに「お客さんならBのラバーのほうが合うかもしれないですよ」と言ってあげて、買ってもらう。それが本当に良いものだったらまた買いに来てくれますよね。
ネットショップのお客さんはポチポチとクリックして購入は終わりますが、ショップに来てくれる人は迷っている人もいるわけだから、そこで説明してあげることもできます。もちろん、うちの社員でもバタフライを使っている人、ニッタク、VICTAS、ティバーとか好みがあって、その自分の色を出しすぎるのはよくないけど、店員としての知識を発揮して、説明して購入してもらう。卓球の魅力を伝えることで、その店員のステイタスも上がっていくことがうれしいですね。
●―そういう意味では、東京にある国際卓球さんの店員の方も接客のエキスパートだし、何を聞いてもすぐに答えてもらえますね。だからリアルな店舗としてのブランドが確立されているし、海外からのお客さんも多いですね。
K 今、うちのショップの店長は西村今日香という者で女性です。
●―珍しいですね。
K 店長になったら用具により詳しくなりました。自分でも試打をして、試しています。男にやらせた方がもっとマニアックで濃いものができるんですけど、あの万人受けするのは女の子に作ってもらった方がポップや、店の飾りとか心地よいものができるんですよ。卓球のインストラクターも女性の方が良い部分が多いです。だから人材募集でも女性は大歓迎ですし、こぞのえスポーツは女性が活躍できる場でもあると思います。

うちの会社の良いところは、ショップ、インストラクター、ネットショップと配置転換できるところです
●―福岡空港は、日本のハブ空港のひとつですね。韓国、台湾、香港、中国、東南アジアに近い。これからインバウンドはさらに増えそうです。
K インバウンドは多くなっています。昨年から免税店としての対応を始めました。今年はなぜか親子連れが多くなっています。全体のショップの売上の2割ほどがインバウンドです。
●―店員の皆さんは片言の英語とか話せるようになっているんでしょうね。
K そうですね。あとは翻訳アプリも使います。
●―海外のお客さんの接客をしたい人も社員としてよいですね。
K 大歓迎ですね。それも仕事のやりがいになると思います。海外の人とコミュニケーションを取り、喜んでもらえる仕事です。
●―卓球場のほうで卓球のインストラクターを募集していますけど、どういう人を求めていますか?
K 卓球が強いとかはまず第一条件ではない。うちの卓球場は常時9台置いていて、高齢者が多いです。子どももいますけれども。やっぱりそういう人と話すのが好きな方、教えるのが好きな方を求めています。教えている生徒さんが卓球がもっと楽しくなったり、上達していくのを間近で見れる部分って、やっぱりインストラクターの一番の喜びの部分ですね。感謝されます。それが「やりがい」になっていくと思います。
最近は中学校の部活動の問題が福岡でもやっぱり大きくて、地域移行で部活できないという中学生とかも来ます。部活動での指導もやってほしいっていうニーズもあります。つまり卓球場でのコーチングの楽しさと、地域での部活動に外部コーチとして行って教える楽しさもあります。
夕方の5時から7時までは、ぼくが社長室から2階に上がって、コーチングしています(笑)。 たとえば、大学生で1部リーグでやってましたという人が入社したら、その人には子どもたちの強化としてコーチをしてもらうとか、適材適所で考えていきたいです。うちの会社の良いところは、ショップ、インストラクター、ネットショップと配置転換できるところです。
●―フリーでプロコーチをされている人も多いけど、コーチングをする場所の問題もあるし、若い時は良いけれど、40代、50代と年齢を重ねたときにも同じようにできるのだろうか。もし病気をしたり、家のローンを組んだりした時にどうだろうかという問題がありますけど、こぞのえスポーツならばその人の年齢や体を考慮して働くことができますね。
K そうですね。管理職というそのポジションもあったりとか、うちの北九州店みたいにうちの名前使ってもらって独立してフランチャイズでやってくれるだとか、もちろん商品の仕入れは全部うちからなんですけど、そういうお店はしっかり守っていきます。
●―働く人にとっては安心感がありますね。ネットショップのほうはどうですか?
K 4つのサイトがあって、6人で回しています。うちの社員で半分は卓球をしている人で、残りの半分は卓球をやってなかった人です。ネットショップの場合は出荷時間が決まっているので、その時間に間に合わせますが、みんな和気あいあいと仕事をやっていますね。
みんなそれぞれ部署は卓激屋や卓球応援団、楽天、Yahooショッピとあるんですけど、倉庫はひとつだし、良くも悪くもその場が仲良しが集まった学校みたいな感じかもしれない。
●―いいですね。
K 卓球未経験者でもウエルカムですが、卓球王国さんに今回(2026年11月号)広告を出していて、狙いは卓球ショップと卓球場の人材ですね。


もっと卓球の地位を向上させるというか、卓球を文化として、もっともっと日本に定着させるつもりでぼくはやってます
●―うちの場合はほぼ9割以上は卓球をやっている人でしょうから、そうなりますね。社長としての今後の展望とか夢とはなんですか?
K ぼくの中では卓球の地位を上げたいっていうのがキーワードですね。うちの父が言ってたことで、まあぼくも父の影響だいぶ受けてるんですけれども、例えば卓球をやらない一般の人たちが飲み屋に行ったり、食堂に行って、「今日の張本は強かったな」とか「早田が勝ってよかったな」とか、そういう卓球での会話になってほしい。プロ野球なら、「阪神の今日のピッチャーはどう? あれじゃダメだよ」とか、飲み屋で話しをしているじゃないですか。卓球もそうなってほしい。
福岡には卓球場が12,13個あって、その多くがうちの店から商品を仕入れています。中学校の部活でも卓球部は多い。もっと卓球が身近になって、卓球場も増えてほしい。ぼくらが小学生の時よりはだいぶ地位は向上しました。でも、もっと卓球の地位を向上させるというか、卓球を文化として、もっともっと日本に定着させるつもりでぼくはやってます。
一番はやっぱり父から受け継いだ卓球教室ですよね。一番稼いでるネットショップって一番後回しだと思ってるんですよ。卓球ショップや卓球場は文化の一端ですけど、ネットショップは戦場ですから。きれいごとが通用しないですから。
でも卓球ショップと卓球場は来る人とのコミュニケーションが大事で、卓球を楽しくやってもらい、卓球を好きになってもらう場です。
●―福岡は西日本のハブ都市になっているわけで、こぞのえスポーツの卓球ショップや卓球場が海外の卓球ファンの立ち寄る場所になったらいいですね。
K 福岡は、地図を広げたら福岡はアジアの中心です。こぞのえスポーツはこれからも地域に貢献し、卓球界に貢献し、そしてアジアの卓球人とつながっていきます。
●―インタビューありがとうございました。




