【中国卓球春秋】世界王者・王楚欽が口にした偽らざる本音。「試合に楽しさを見出せない」
「1枚の金メダル」から始まる新時代の夜明け ──日本男子が中国を破り団体優勝── 【アジア競技大会★取材ノート❷】
卓球王国2026年12月号 アジア競技大会★取材ノート 掲載
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高樹ミナ(スポーツライター)Mina TAKAGI
アジア版オリンピックといわれる「第20回アジア競技大会(2026愛知・名古屋)」。開会式翌日の9月20日に始まった卓球競技は9日間の熱戦を終え、28日に幕を下ろした。日本にとって最大のハイライトは男子団体の金メダル獲得。実に60年ぶりとなる歴史的快挙を現場で見届けた筆者が、その興奮とともに大会を振り返る。

中国を倒し、悲願の男子団体金メダル。エース張本「1枚取るのが目標ではない」
ついにその瞬間が訪れた。卓球競技5日目。9月24日に行われた男子団体決勝の日本対中国。
マッチカウント2―2でもつれ込んだ第5マッチで、チームの命運を託された19歳の松島輝空が、ゲームカウント2―1で迎えた第4ゲームを11─8で制すと、長年の悲願だった日本の金メダルが決まった。
相手は同じ19歳の温瑞博。互いに重圧がかかる若手同士の対決だった。先にマッチポイントを握った松島がロングサービスを繰り出し勝負に出ると、最後は温瑞博のフォアハンドがネットにかかった。
取材ノートを見返すと、10─8でメモが途絶えている。マッチポイントのワンプレーに釘づけになりメモを取る手が止まった証拠だ。勝負が決まったときは頭が真っ白になり、目の前で起きていることに現実味を持てなかった。


