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[ワルドナー伝説]vol.3 達人と呼ばれる理由

100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック

Text by

イエンス・フェリッカJens Fellke

Translation by

今野昇Noboru Konno

Cover Photo by

高橋和幸Kazuyuki Takahashi

第1章 キング・オブ・テーブルテニス

The King of Table Tennis

第1章 1 卓球王のプロローグ はコチラ

第1章 2 天才はいかにめざめたか はコチラ

3 達人と呼ばれる理由

■ 彼のエネルギーはひとつのこと、 卓球選手としての生活にしか向かっていなかった

 ヤン-オベ・ワルドナーと兄シェル-オッケは小さい頃から卓球を世界中の何よりも愛していた。彼らの両親もスポーツを楽しみ、子どもたちがスポーツに時間を割くことはいとわなかった。子どもたちが小さかった時には、両親はいつも卓球の試合場について行ったし、彼らが大きくなり、スウェーデンのエリートリーグでプレーするようになると、母は試合中にクラブのカフェテリアを手伝うようになり、父もクラブのボランティアとして卓球台、ネット、ボールなどの会場設備係を買って出るようになった。

 ヤン-オベとシェル-オッケの兄弟の間では、子どもながらもお互いを尊敬することが暗黙の了解としてあった。兄は弟をかばい、弟は兄に従う。二人の間にはそんな昔ながらの兄弟の絆があった。

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