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板垣孝司がこじ開けた夢の扉 〜ブンデスリーガで初のプレーオフ進出〜

卓球王国2024年9月号掲載

「10年間、変わらない熱量で頑張ったら人はついてきてくれるはず。何か新しい道が開けて次のステージに進めると信じていました」(ケーニヒスホーフェン監督・板垣孝司)

ヨーロッパ最高峰の卓球プロリーグ・ブンデスリーガでケーニヒスホーフェンの監督として8年。日本を飛び出しドイツに渡った指導者の板垣孝司は、自身の夢でありチームの悲願だったプレーオフ進出をついに果たした。選手や卓球を愛する町の人々、家族や良き理解者に支えられながら歩んできた年月と、上田仁が加入し飛躍を遂げた2023-2024シーズンを振り返ってもらった。

text and photo by

高樹ミナMina Takagi

photographs by Phillipp Wohlfart & Patrick Wichmann

 

ケーニヒスホーフェン監督・板垣孝司

●Profile 板垣孝司(いたがき・こうじ)
1970年8月3日、山形県生まれ。熊谷商業高・埼工大深谷高(現・正智深谷高)→中央大→三井生命。中央大時代、2度のインカレ優勝に大きく貢献。2001年より青森山田学園で吉田安夫総監督の右腕としてヘッドコーチを12年、監督を2年務め、多くの日本代表選手を輩出。2016年1月よりドイツ・ブンデスリーガ「TSVバート・ケーニヒスホーフェン」のヘッドコーチに就任

「海外で卓球指導をしてみたい」念願叶って家族でドイツ移住。プレーオフ進出の夢も実現

 ひとことで言えば一本気。無骨で頑固な男だが、鋼のようなその意思には岩をも砕く強さがある。板垣孝司とは、そういう人である。

 ドイツ・ブンデスリーガ 2023-2024シーズン、板垣監督率いるTSVバート・ケーニヒスホーフェン(以下、ケーニヒスホーフェン)は、17年に男子1部に昇格してから7シーズン目でプレーオフ進出を果たした。まだチームが2部リーグにいた16年の監督就任から数えると、実に8年越しの悲願成就だ。

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