こだわりすぎた男たち Vol.6 政本尚
五輪のたびに流れる「中国選手が金メダル独占する卓球がオリンピック種目から外れる」という情報
卓球王国PLUS独占記事<今野の眼>
Text by
今野昇Noboru Konno
中国卓球の強さは非難されたり、疎まれるものではなく、尊敬されるべきもの
別に中国が不正を働いてメダルを取っているわけではない。
男子シングルス準々決勝の樊振東(中国)対張本智和(日本)戦で、張本は素晴らしい速攻で相手を追い詰めた。勝ってもおかしくない試合。観戦していた水谷隼さん(東京五輪金メダリスト)は、「勝ったほうが金メダルだった」と言う。最終ゲーム11−7で張本は敗れた。敗れたとはいえ、張本のプレーはたしかに金メダルに値するものだったし、最後の1本への執着を見せた樊振東はそのまま続く2試合に勝ち、金メダルを獲得した。
張本は「あと1本、2本で勝てた」試合を落とし、その1本の理由をあと4年かけて探す旅に出る。