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【特集・石川佳純】石川佳純、無限の可能性[初のインタビューのアーカイブ]

卓球王国2009年9月号に掲載

卓球界が生んだ偉大なメダリスト、石川佳純さんが卓球王国の表紙を飾ったのは36回。数多くのインタビューを行ってきたが、石川さんの選手としての軌跡をなぞりながら、それらをアーカイブとして特集する。1回目、初の王国インタビューは2009年9月号だった。

2009年5月の横浜で世界の大舞台で注目を浴びた石川佳純。
16歳の素顔は、どこにでもいる高校2年生のそれだ。
しかし、その才能は特別なものとして光を放っている
石川の現時点での成績を云々するのはあまり意味のないことだろう。
16歳の可能性はまだまだ無限なのだから。
写真=高橋和幸

Interview by

今野昇Noboru Konno

いしかわ・かすみ
1993年2月23日生まれ、山口県出身。6歳の時に山口ジュニアクラブで卓球を始め、06年全国中学校大会優勝、08年インターハイ優勝。06・07年全日本選手権3位、06~08年全日本ジュニア3連覇。個人戦2回目の代表となる09年世界選手権横浜大会ではベスト8に進出した。四天王寺高校在学、世界ランキング63位(09年7月現在)。ミキハウスJSC所属(当時) *プロフィールはインタビュー当時のままを掲載

勝った瞬間は「やった!」という感じでガッツポーズくらいでは収まらなかった(笑)。幸せでした。卓球やってて良かったと思いました

 1年前(2008年)の世界選手権団体戦。場所は中国の広州。石川佳純はチェコ戦で敗れたあと、準決勝のシンガポール戦で起用され、完敗。2戦2敗。特に決勝進出を賭けて勝ちに行った試合での苦い敗戦は、15歳の石川にとって良い経験という言葉ではすまされない、大きな悔恨として残ったはずだ。

 一方、いくら類(たぐ)い希(まれ)な才能を持った選手とは言え、その起用は15歳の石川にとって過度の期待だったかもしれない。13歳で全日本ベスト4入りしたあと広州、そして横浜大会まで、彼女への期待は実際の実力よりも先行していたのだ。

 そんな中で迎えた横浜での世界選手権。2回戦で世界ランキング10位の帖雅娜(香港)に対して、ゲームカウント0-3、4ゲーム目の3-9から大逆転勝ちを収め、奇跡の勝利を手にした石川佳純は、その勢いでベスト8に進出した。まわりの期待以上の活躍はある種の重圧から彼女を解き放った。

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