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卓球マニア濃縮エキス[卓球天国の扉]〈その8〉補助剤問題 

卓球王国ブックス「卓球天国の扉」より 〈その8〉

卓球コラムニスト・伊藤条太氏による爆笑卓球コラム本『ようこそ卓球地獄へ』の続編である『卓球天国の扉』(2015年発刊)。あなたはこの一冊で「天国の扉」を開けることになる。 ☆卓球マニア濃縮エキス☆ 

Text & Illustration by

伊藤条太Jota Ito

第一章 卓球メジャー化大作戦

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補助剤問題

 ITTF(国際卓球連盟)のルールで禁止されている以上、まさか日本卓球協会が公言するわけにはいくまい。卓球メーカーも無理だろう。卓球雑誌でもやはり編集者の立場では無理だろう。だからこれは卓球界のルターたる私(勝手に拝命)の役目である。日本選手よ、補助剤を塗れ! 塗るのだ! 

 いったいスポーツのフェアネスとは何だろうか。ルールを守ることがフェアだろうか。公平な条件で戦うことがフェアだろうか。本来これらは同じことであるべきだが、残念ながら現状は違う。用具を加工することはルールで禁止されているのだが、試合会場で検査できない「スピード補助剤」が存在するため、実際には世界の多くの選手たちが使っている。ところが、日本選手だけはルールを守って補助剤を使っていないので、大きな不利を背負って試合をしていることになる。補助剤を使わないで試合をすることは、ルールを守るという意味ではフェアだが、公平な条件で戦うという意味ではアンフェアな行為なのである。

 有機溶剤を含んだスピードグルー禁止のときは、これを守ることには「人体に有害なものを使わない」という大義名分があったから、たとえ他国が守っていなくても守ることに価値があった。しかし補助剤は違う。使っても誰の迷惑にもならないのだ。

 日本人は、ルールを破ることに抵抗がある。この民族性が、秩序正しく災害時にもパニックを起こさない社会の基盤になっているのであり、世界に誇れる優れた民族性だろう。しかし残念ながら、他国と戦うときにはこの美徳は通用しない。「検査できないものはルールではない」と思っている人たちを相手に戦うとき、日本国内のモラルや美徳はまったくの無力なのだ。

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