[クローズアップ]世界に類を見ない全日本ホカバ。その光と影
卓球王国2026年10月号掲載
日本のレベルを一気に押し上げた世界への登竜門。この大会がもたらすものとは
近年の「全日本選手権ホープス・カブ・バンビの部(以下、全日本ホカバ)」のレベルの高さは目を見張るばかりだ。 だが、そうしたまばゆい光の後ろには、看過できない影もある。この幼少期からの「ホカバ」という目標が、今の日本卓球の強さを支えているのは間違いない。 光が強ければ強いほど、その影は一層濃くなっているのだ。

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「ホカバ」とHNTの連携が日本を世界レベルへ押し上げた
暑い夏、熱い試合。全日本ホカバが今年も終わった。 第1回の全日本選手権ホープス(小学6年以下)が1981年に開催され、その後、カブ(小学4年以下・1984年~)、バンビ(小学2年以下・1986年~)が創設された。初期の頃は子どもたちのプレーも微笑ましく見えたものだが、40年以上が経過した現在、コート上の光景はまるで別の大会かと思えるほどの変貌を遂げている。それほどまでに近年のレベルは高くなっているのだ。
過去45年間で、この大会からは多くのチャンピオンが生まれた。そのうち全日本チャンピオン(シングルス)になった選手は12人、五輪代表になった選手は14人おり、実にそのうち9人がメダリストへと登りつめた。
福原愛の活躍以降、ホカバはトップ選手への登竜門となった。特に2001年にHNT(ホープスナショナルチーム)が設立されてからは、大会とHNTが密に連携。子どもたちや指導者への情報提供の場となり、刺激を与え、国際大会への出場機会を創出するなど、日本選手のレベルアップや世界での成績向上に大きく貢献してきた。その意味で、「ホカバ」が果たしてきた役割は極めて大きい。
低年齢期から基礎を徹底して叩き込む育成法は中国が先鞭をつけたものだが、ホカバとHNTというシステムを構築し、全国の子ども・保護者・指導者に明確な目標を与えたことこそが、日本が世界で中国に次ぐ確固たる地位を築けた理由と言えるだろう。
実際、現場で取材をしていると、選手たちのプレースタイルは現代卓球に最適化されており、高い基礎力とたゆまぬ練習の積み重ねが窺える。両ハンドを自在に振り抜き、試合運びの巧みさも大人顔負けだ。

