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[ワルドナー伝説]vol.21 第3章 4 ワルドナー卓球の真髄 

『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック。(第3章の掲載が第2章から1カ月ほど間があいてしまったことお詫び申し上げます)

Text by

イエンス・フェリッカJens Fellke

第3章 アウトサイド・ザ・コート

Outside the court

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4 ワルドナー卓球の真髄

2000年シドニー五輪でのワルドナー

■抜群の酸素摂取能力。バランスの良い体は故障知らず

  「彼の動きは美しいのね」

 テレビの前に座り、ワルドナーのビデオを見ている私の傍(かたわ)らで、まるでスポーツなどに興味のない妻が、そうつぶやいた。

 「体のプロポーションがとてもいいし、何か言いようのないリズム感とバランスの良さを持っている感じね。それに調和のとれた中でボールを打って、動いているようにも見えるし、とてもリラックスしている。どこにボールが飛んでくるかを知っていて、そのために無駄な動きとエネルギーを使わずに、ボールを打つことを知っている感じだわね」

 何かが私の胸を打った。卓球を知らない彼女が発した言葉に、私はあるシーンを思い起こした。

 それは、1990年にGIHというストックホルムにある体育大学で行われた、ある実験だった。そこで行われた実験は、卓球選手の最大酸素摂取量と、試合中に選手がどれだけの酸素を摂取しているかという測定だった。

 卓球のナショナルチームの選手たちの最大酸素摂取量は、平均測定値が65(ml/kg/分)で、これはアイスホッケーチームと同じで、サッカーチームの63よりもわずかに良いものだった。

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