[クローズアップ]「勝つから待っとけ」
卓球王国2026年12月号掲載
中国を破ってアジア競技大会で優勝。60年ぶりの快挙の裏にある日本のあゆみ
アジア競技大会の卓球競技のハイライトとなったのが、9月24日に行われた男子団体決勝だ。日本男子が絶対王者・中国を撃破し、日本中に空前の歓喜をもたらした。メダルラッシュに沸いた今大会の中でも、王者を打ち破った卓球日本男子の快挙は、ひときわ鮮烈なインパクトを放っている。

Text by
今野昇Noboru Konno
勝つから待っとけ。
張本智和の発した一言はなんとも頼もしく、決勝の舞台での日本男子チームを鼓舞する言葉だった。
1966年のバンコク大会以来、実に60年ぶりとなるアジア競技大会での日本男子優勝。愛知県豊田市のスカイホール豊田に詰めかけた観客と、テレビの前の視聴者を大きな歓喜で包み込んだ。ちなみに1966年大会の優勝メンバーは木村興治、高橋浩、長谷川信彦、三木圭一の4選手。当時、中国は未出場だったため、「中国を破っての日本男子の金メダル」は史上初の快挙となる。
卓球界の大先輩であり、1977年世界チャンピオンの河野満氏は「世界ランキングを見たら日本のほうが上だったから勝てると思って見ていた。日本は強かったね」と後輩たちの戦いを称えた。ヨーロッパの卓球関係者からも驚きと喜びとともに「ジャパン、おめでとう」というメッセージが届いた。
1960年代以降、「国球」として国をあげて強化を図ってきた中国に対し、1950年代に黄金時代を迎えていた日本は個人の力だけでは及ばないことを痛感。


