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卓球プロ化のリアル「年収1000万でも 破綻する」<加藤学>

卓球王国2026年10月号

会社経営者、そして公益財団法人の理事長を務める傍ら、現役の卓球人として社会人クラブチーム「福卓会」の選手兼会長としても活躍する加藤学さん。
ビジネスとスポーツ、そして社会貢献という多角的な視点を持つ加藤さんに、プロ選手・プロコーチが抱える「お金とセカンドキャリア」のリアルな問題、そして日本卓球協会が今取り組むべき課題まで、多角的な視点でお話を伺った。

生涯年収の格差、脱税タブー、早期教育の歪み……日本卓球協会へ送る「3つの覚悟と提言」

かとう・まなぶ●1963年5月11日、青森県生まれ。五所川原高から法政大に進学し、体育会卓球部に所属。卒業後、日本最大手の小売チェーンに入社。40代で独立し、コンサルタントとして活躍した後、化粧品会社を経営。同時に公益財団法人 加藤学育英財団の理事長を務める。卓球では全日本マスターズ、東京選手権に出場し、福卓会(福島)の会長を務める

Interview by

今野昇Noboru Konno

1. 卓球との出合いと、ビジネスで磨いた「経営者の目線」

●─加藤さんと卓球との出合いと、経営者としてのキャリアを簡単に教えてください。

加藤学(以下、加藤) 自宅に卓球台があったので小学生の頃から遊び始め、中学・高校・大学と続けました。法政大学では体育会卓球部のレギュラーとして頑張りました。卒業後、日本最大手の小売チェーンに入社し、店舗現場から本社のバイヤー職まで幅広く経験しました。特にバイヤー時代は海外からの直接買い付けや商品開発に没頭し、「どうすれば売れて、どうすれば儲かるか」のメカニズムを体で覚えました。

 40代で独立してコンサルタントとなり、売り方に悩むメーカーと業績拡大を目指す小売企業の双方を支援しました。その後、化粧品会社の経営を任され、数年で売上を大幅成長させて上場が視野に入る規模まで拡大し、昨年末に引き継ぎました。現在は新たな事業(化粧品原料販売会社)の立ち上げと、給付型奨学金事業を行う公益財団法人の運営を並行してやっています。

 公益財団法人というのは、国内約5500団体のうち自治体等に紐づかない民間主導のものは1500前後と言われており、公益性、財産要件、ガバナンス等をすべてクリアしなければ取れない、上場より難しいと言われる資格です。ぼくの財団は優秀な化学系学生に無返還の奨学金を給付しています。

 卓球は、十数年のブランクの後に40代後半で競技復帰し、現在(63歳)まで全日本マスターズや東京選手権などに県代表として参加する現役選手です。所属する「福卓会」は、創部38年で全国優勝3回を誇る歴史あるチームで、会長として組織運営と協賛金獲得を担っています。

 こうした「経営者」と「現役の卓球人」の両方の視点が、今回お話しする内容の土台になっています。

2.  プロ選手・プロコーチの「お金」と「生活」のシビアな現実

●─経営者の視点から見て、現在の「卓球プロ化」の流れや、幼少期から卓球漬けで育った選手たちの現状はどう映っていますか。

加藤 Tリーグの発足などもあり、プロ選手やプロコーチという職業が確立されつつありますが、ビジネスの視点、つまり「かかる経費と入ってくるお金のバランス」で計算すると非常に危うい構造が見えてきます。データとしてまとめると、現在日本で競技収入だけで生計を立てているプロ選手はおよそ100人前後と推測できます。

・超トップ層(男女3名程度) 1億円~数億円 

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