卓球マニア濃縮エキス[卓球天国の扉]〈その14〉卓球常識
卓球王国ブックス「卓球天国の扉」より 〈その14〉
卓球コラムニスト・伊藤条太氏による爆笑卓球コラム本『ようこそ卓球地獄へ』の続編。あなたはこの一冊で「天国の扉」を開けることになる。 ☆卓球マニア濃縮エキス☆

Text & Illustration by
伊藤条太Jota Ito
第二章 卓球・妄想・卓球
卓球常識
卓球界には卓球界の常識、いわば「卓球常識」とでもいうものがある。卓球人同士のコミュニケーションはその常識の枠内でなされるわけだが、同じ卓球界であっても、集団が違うと卓球常識も微妙に異なってくる。
1950年代、荻村伊智朗の指導によってスウェーデンチームはヨーロッパで初めて練習前の準備体操を取り入れたが、ある大会で他国のチームから「君たちは何の選手だい?」と笑われたという。卓球常識が違っていたのだ。
中国からのある帰化選手は、1990年代に日本に来たころ、日本でやられていた何百球もラリーを続ける「基本練習」を見てとても可笑しかったという。日本人が大真面目にやっていたこの練習は、彼から見ると「空き缶を何個積み重ねられるか」的な無意味なことに挑戦する遊びに見えたのだ。
このように人は、自分の常識から外れたものを見ると可笑しくなることが多いようなのだが、程度によっては可笑しいどころか腹が立ってくる。
まがりなりにも卓球好きを自認しておきながら、高木和(たかぎわ)や木方(きほう)のことを「タカギカズって結構強いな」「キガタって誰や」などと言われたらさすがに温厚な私も穏やかではいられない(実例)。

