卓球マニア濃縮エキス[卓球天国の扉]〈その12〉卓球の矛盾
卓球王国ブックス「卓球天国の扉」より 〈その12〉
卓球コラムニスト・伊藤条太氏による爆笑卓球コラム本『ようこそ卓球地獄へ』の続編である『卓球天国の扉』(2015年発刊)。あなたはこの一冊で「天国の扉」を開けることになる。 ☆卓球マニア濃縮エキス☆

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第二章 卓球・妄想・卓球
卓球の矛盾
アームストロングから画期的なラバーが出ている。『ニューアンチスピン』というラバーだ。なんとこのラバー、アンチスピンのくせに粘着性で回転をかけることができるのだという。これではまるで「ミルクたっぷりのブラックコーヒー」「下痢が止まる下剤」といったようなものであり、まさにアンチスピンラバーの根幹を揺るがすとんでもない商品と言えよう。卓球王国編集部きっての用具ドランカー、佐藤祐が愛用していたことでも有名だ(プラス材料か?)。
粘着性アンチほどではないが、これまでにも矛盾するような製品はあった。カーボンラケットといえば弾みが良いことがメリットのはずだが、なんとカットマン用のカーボンラケットがあったのだ。「カーボン層が相手のボールの勢いを吸収する」という触れ込みだった。それは単に弾まないということだから、普通に木で作ればよさそうなものだが、わざわざカーボンを入れて高く売ろうとした商魂が素晴らしい。商魂といえば「飛び方が裏ソフトに近いアンチスピンラバー」という宣伝文句もあった。飛び方が裏ソフトに近いということは回転も裏ソフトに近いというだけのことだが、さも飛び方だけが近い魔法のラバーであるかのように宣伝したところが素晴らしい。このような、嘘ではないが誤解を誘導するファンタジー的要素は、今日の卓球用具市場の隆盛のためにはなくてはならないものである。

