【私の失敗学・用具編】長﨑美柚「これが正しい」と違和感を覚えながら使い続けた
卓球マニア濃縮エキス[卓球天国の扉]〈その15〉世界下回転選手権
卓球王国ブックス「卓球天国の扉」より 〈その15〉
卓球コラムニスト・伊藤条太氏による爆笑卓球コラム本『ようこそ卓球地獄へ』の続編。あなたはこの一冊で「天国の扉」を開けることになる。 ☆卓球マニア濃縮エキス☆

Text & Illustration by
伊藤条太Jota Ito
第二章 卓球・妄想・卓球
世界下回転選手権
高校時代、練習場にあった卓球マシンで、ふざけてモーターの回転数を最大にして横回転を出してみたことがある。人間には絶対に出せない回転量のボールだ。それはそれは恐ろしい体験だった。激しく横に曲がっていくボールをとらえて、なおかつ相手コートに入るラケット角度が存在しなかったのだ。回転がわかるもなにもない。こんなサービスを出されたら一球も返せずに試合が終わるだろう。
地球上でもっとも切れる人のサービスの回転数はどれくらいなのだろうか。よく、孔令輝の下回転サービスが切れていたといわれるが、それはあくまで一流選手の中での話だ。もし、才能のある人がフォア打ちもゲーム練習も一切しないで、下回転サービスだけを一万時間練習したら、途方もない回転量のサービスを出せるようになるのではないだろうか。実際にそういう無駄な実力をもつ人が無名選手の中にいないとも限らない。それは広東省の雲朴占さんかもしれないし、岩手県下ノ村体協の鈴木さんかもしれない。

